開発ストーリー
リリーフバルブStory

Relief Valve リリーフバルブ

お客様のご要望に応え、
長年の課題を解決

リリーフバルブは、配管内の圧力が設定圧力以上になると自動的に圧力を逃がす機能を持った制御弁です。おもには工業で使用される一般機械や医療機器、分析・計測機器、液体処理装置で使用され、
私たちの身近なところにも多く使われています。

今回は、お客様のご要望で既製品のリリーフバルブに 改良を加えた事例について、開発担当のIさんと営業担当のTさんにお話を伺いました。

開発の経緯と背景

まず今回の開発の経緯について教えてください。

営業T:お客様は研究機関等に装置を納めているメーカーです。ヘリウムガスを循環させるユニット部分で問題があり、弊社に相談がございました。この装置の納品先は研究機関で、「人の耳で聞いて気にならないレベル」が求められました。

お客様のご要望からですね。開発の期間はどの程度ですか?

開発I:弊社生産のバルブの半数近くはお客様の仕様に合わせたカスタマイズ製品になります。カスタマイズ製品の多くは標準バルブを応用した製品の為、開発期間は1年未満がほとんどです。今回の課題に関しては、多くの試行錯誤が必要になりました。実は、このバルブはIBS社内のテスト装置で実験してみると音は鳴らず、お客様の装置に取り付けると音がなるという状況でした。そのため、試行錯誤はお客様の装置で行うことが必要で、期間が長くなってしまいました。

客先の発生装置

繰り返し試作とテストを行う開発工程

開発時はどのようなことから始めましたか?

開発I:まずはバルブのスプリングを変えて検証いただきましたが、音を消すことは出来ませんでした。次にバルブの出口にオリフィス(絞り)を入れて、通過する気体の流量を変えてみました。すると、流量によって音が鳴らなかったり、音が小さくなるケースが判明しました。 このことから、気体の流れにより音を抑えることができると判明しました。

原因の特定にも苦労がうかがえます。

開発I:はい。最終的にはバネを設置する箇所にスペーサーを入れてバネ特性を変更し、同時にバネの横ブレを抑える改良をしました。スペーサーは3Dプリンタで試作をしてはお客様の装置に取り付けて試運転を繰り返しました。最終的には、音はほぼ鳴らないように改善することができ、お客様にも喜んでいただけました。

3Dプリンタ

今後の展望

さらなる改良の展望があれば教えてください。

営業T:今回のような、現行のバルブは小型且つシンプル構造の為、圧力設定を変更・調整する機構をバルブ内部に設けており、お客様及び現場での圧力変更が出来ない構造になっておりました。 現場で圧力調整されたいお客様の要望に応え、小型で配管したまま圧力調整できる(外部調圧型)リリーフバルブはニッチな需要があり、今後も開発を進めたいと考えています。

開発I:今回のように、製品はお客様のところで実際に運転してはじめて課題が見つかることがあります。この課題こそが次の製品のヒントになることが少なくありません。これからもお客様の声を聞き、新しい製品を作っていきたいと思います。

リリーフバルブ

開発担当者
からのコメントStaff

会社と設計部の成長が実現した新たな挑戦

実は今回の依頼は、10年前にも同じようなものがありましたが当時の技術力では対応できませんでした。このバルブは海外製で近年の円安傾向もあって価格が高騰、「国内製のものがほしい」と何社かにも依頼されていることろでした。

年月の経過とともにIBSの技術要素が増えたことで、新しい方針で改良を施すことが可能となり、ご要望に応えることができました。

その時は不可能と思える課題も、粘り強い挑戦を続けていくことで解決の道がひらくことがあります。これからも「お客様の声」を大事にし、開発に取り組んでいきたいと思います。

インタビューイメージ

開発担当者プロフィール

パーソナルデータ

株式会社IBS
設計部チームリーダーI(バルブ開発担当 2019年入社)

略歴

設計担当として入社し、おもにバルブの担当として多くの製品の設計に携わる。
開発担当として顧客からのヒアリングの場にも同席し、技術者の観点からご要望を汲み取って開発に活かす。また、チームリーダーとして後輩の指導も担当。

コスト面から「作りやすく安くできるもの」を作ることが技術者としてのこだわり。

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酸素ガス発生装置